フープめっきについて詳しくお伝えしています。

フープめっきについて

フープめっきとは、帯状の製品に対して行われるメッキ加工の手法です。線材、薄板材、繊維製品などに使用されることが多く、映画のフィルムのようなリールに巻きつけることのできる形状であることからリールtoリールとも呼ばれます。

実際の工程でもリールに巻きつけて作業している工場のほか、設備や素材によっては素材をコイル状に巻いて処理を行っている場合もあります。

巻いた状態から流れ作業で処理ができるフープめっきは、メッキ対象となる製品を加工前の状態で連続的に処理できるため生産性が高く、製品の安定性にも優れている手法で、特に量産品のメッキに適しています。

場合によっては、加工した後の製品をメッキするよりも、材料の状態でフープめっきを行ってから加工をするほうが費用が安く済むこともあり、コストの面からフープめっきへと作業工程を変えている製品も出てきています。

フープめっきの処理方法は工場によって多少異なる場合もありますが、加工手順の工程は大きく分けて4つとなっています。

最初に行うのは、素材の汚れを除去する前処理です。汚れのほかにも、メッキを施すのに邪魔になる油や酸化被膜などを取り除いていきます。

次に、下地となるメッキを行います。この下地メッキは、仕上げとなるメッキの密着度を向上させるための処理です。

素材によっては不要となることもありますが、よりしっかりとメッキ加工を行うために大切な工程のひとつです。

下地の次に行う仕上げメッキが、製品として表に出るメッキ部分になります。フープめっきに使用される素材は、錫、銅、ニッケル、銀、金など、目的に合わせて多種多様な素材を使うことができ、光沢や求められる機能性によって調整することができます。

最後に、後処理を行います。後処理はメッキ後の製品の洗浄や乾燥のほか、変色防止の処理などを行います。

フープめっきの利点は、これらの処理を連続で一貫処理できることにあります。

流れ作業で行えるため、部品ひとつひとつに加工を施すバレルメッキなどと比較しても、生産性と安定性を高く保ち、結果的にコストを安くすることができるのです。

また、フープめっきは全面に加工を施すだけでなく、ストライプメッキにも対応している工場が多数あり、素材の違うメッキ加工を一工程で処理・製造することが可能となっている工場もあります。

実際にフープめっきを活用している製品で特に多いのが電子部品のコネクターやリードフレームです。

その一例をあげると、曲げ加工済み端子をメッキしていた製品を、曲げる前の素材の状態でフープめっきを行ってから切断・曲げ加工を行うことで大幅なコストダウンを可能にしたものもあります。

フープめっきは曲げ加工性に優れた製品を提供できるのも大きな特徴のひとつなのです。さらに、素材そのものにメッキを行うフープめっきは、最終形が複雑な形をしている部品であってもその形に左右されないという利点があります。

複雑な形をした部品はメッキ加工ができなかったり、可能であっても加工の難易度が高くなり、その分だけ費用も大きくなってしまうことがあります。

しかし素材の状態でメッキをしてしまえば、最終的な成型を行う加工の部品設計の自由度を高く保ちつつ、全体のコストを下げることが可能です。

コイル状に巻いた素材をメッキするという特性上、フープめっきが出来るのは薄い素材に限られますが、電子部品など細かい部品はそもそも分厚い素材は使わないため、非常に便利に活用できます。

フープめっきが特に活躍しているのはやはり電子部品ですが、電子部品以外でも自動車部品などで安定性の向上とコストダウンに寄与した実績があり、フープめっきはさまざまな分野で活躍している加工法です。

フープめっきは、弊社がもっとも得意とする加工技術です。もし、フープめっきのことでお困りだったり、何か悩んでいることがありましたら、ぜひ一度お問い合わせください。可能な限りお力に慣らさせて頂きます。




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